今回レビューするのは、元BAUHAUS(バウハウス)のヴォーカリスト“ピーター・マーフィー”と、元JAPAN(ジャパン)のベーシスト“ミック・カーン”が、元ULTRAVOX(ウルトラヴォックス)のポール・ヴィンセント・ローフォードをドラムに加えて結成した“Dali’s Car (ダリズ・カー)”唯一のアルバム『ウェイキング・アワー』です。
つーか、豪華ですよね。この顔ぶれ。
- ダリズ・カー
- ヒズ・ボックス
- コーンウォール・ストーン
- アルテミス
- クリエイト・アンド・メルト
- ムーンライフ
- ジャッジメント・イズ・ザ・ミラー
ミック・カーン特有の奇妙にうねる奇っ怪なベースで幕を開ける#1. ダリズ・カーは不気味なお伽話のような曲。赤ん坊は泣き出すことでしょう。カオティック過ぎる完成度はさておき、妙な情感が漂います。#2. ヒズ・ボックスも引き続き、ミックのお腹を壊しそうなベースで展開されます。朗々と響くピーター・マーフィーの声がステキな曲で、エセ中近東フレーバー満載。
#6. ムーンライフは完全にミックの世界観が全面に出ております。極めつけはラストの#7. ジャッジメント・イズ・ザ・ミラーですな。奈落の底まで何処までも落ちて行く感じを体感できそうな、救いようのない陰鬱な雰囲気。未聴の方は是非とも一度、聴いてみてください。
ハッキリ言って、元ULTRAVOX(ウルトラヴォックス)のポール・ヴィンセント・ローフォードは存在感ゼロで、ピーター・マーフィーとミック・カーンの個性がぶつかり合っている作品です。このユニットったらこの作品一枚限りで解散してしまうんですが、どうやらピーターとミックの折り合いが悪かったようです。ま、分からないでもないですけど、ちょっと残念。
ピーター曰く、
「途中からミックが主導権を握ろうとして、空中分解した」
だそうです。う~む…確かにそんな感じ。好きだけど。