Peter Murphy(ピーター・マーフィー)/ Dust

今回紹介するのは、元Bauhaus(バウハウス)のヴォーカリストだったPeter Murphy(ピーター・マーフィー)が2002年に発表したオリジナルアルバム『Dust』です。
ソロ作品では一番の傑作であると同時に、独特の世界観を強く打ち出した作品であると思います。

  1. Things to Remember
  2. Fake Sparkle or Golden Dust?
  3. No Home Without Its Sire.
  4. Just for Love
  5. Girlchild Aglow
  6. Your Face
  7. Jungle Haze
  8. My Last Two Weeks
  9. Subway (Epilogue)

Peter Murphy(ピーター・マーフィー)がソロになってから世に送り出した作品は、残念ながらどれも酷評されがちでした。それは矢張り、Bauhaus(バウハウス)と云う名のモンスター・バンド出身だったからに他ならないでしょう。

けれども、バウハウス時代と何ら変わらぬスタンスではいけないし、他のヴォーカリストの様な、一般的に云うところの“良い曲”を歌うことも、この人のイメージにピッタリではありません。
ピーター・マーフィーが辿り着いた本作は、そのどれにも属さず、唯一無二なサウンドでした。

不規則なエレクトリック・ビートの上を漂う、アンビエントな雰囲気を持ったオリエンタルな楽器や不気味な音。それらの音をバックに従えて、ピーター・マーフィーの声が地獄の王が如く響き渡ります。
まるでそれは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談にも等しき、おどろおどろしい世界。物凄く統一感されたカオスが此処にあります。

決して口ずさむことのできない歌が満載された名盤です。絶対にイージーリスニングにはなりません。何もかも諦めて何処までも堕ちていって下さい。