これまでの作品と比べると、派手さには欠けるものの、じっくりと聞き込むのに適したアルバムでは無かろうか。
このアルバムは、DURAN DURAN初心者には間違っても薦めてはいけない。また、このアルバムでDURAN DURANを知った人は、既に彼らを記憶の彼方に葬り去っているかもしれない…。
- Big Thing
- I Don’t Want Your Love
- All She Wants Is
- Too Late Marlene
- Drug (It’s Just a State of Mind)
- Do You Believe in Shame?
- Palomino
- Interlude One
- Land
- Flute Interlude
- Edge of America
- Lake Shore Driving
- Drug (It’s Just a State of Mind) [Daniel Abraham Mix]
前半はリズム主体の曲が続き、後半は一部にプログレッシヴな要素を取り入れた作りとなっている。
冒頭でも書いたが、このアルバムはDURAN DURANとしては地味の極致をゆくものである。この作品は今までの、“外見に釣られて付いてきていたファン”を選別する篩のようなモノかもしれない。
言い忘れていた。本作を地味と言っているが、決して駄曲のオンパレードなどではないのである。演奏面やアレンジにおいては、格段に向上している面があるのだ。
これまでにフランクザッパやMISSING PERSONSに在籍し、数十台ものエフェクターを駆使しながら奇っ怪なギター演奏を繰り広げてきたウォーレン・ククルロが加入したことによって、楽曲の幅は大きく広がりを見せ、深みを増している。
さて、前作“Notorious(ノトーリアス)”から試みているアイドル路線からの完全脱却作戦は、彼らにとって大いなる迷宮への入り口だったのかもしれない。ここからしばらくの間、彼らの音楽活動は低迷するのであるから…。