今回レビューするのは、良くも悪くも80年代の音楽シーンとディスコ・シーンを一瞬だけ賑わせた“ABC”のデビューアルバム『The Lexicon of Love』です。
- Show Me
- Poison Arrow
- Many Happy Returns
- Tears Are Not Enough
- Valentine’s Day
- Look of Love, Pt. 1
- Date Stamp
- All of My Heart
- 4 Ever 2 Gether
- Look of Love, Pt. 4
- Theme from “Mantrap”
まず、このアルバムが商業的に成功した要因として、
1.トレヴァーホーンのプロデュースによる、ファンキーでゴージャスなサウンドの構築。
2.MTVを利用したヴィジュアル戦略の成功。
が挙げられます。
はい。そんだけ…とか云うと怒られちゃうか(反省)。
個人的には強烈なインパクトを感じないんだけど、よく纏まっていてたいそう華やかなバンドだな~って感じが率直な感想でしょうかね。
#1のイントロなんか剥き出しの80年代サウンドですよ。スネアにゲートリバーヴ掛け過ぎちゃってずれてきこえる位。
しかし、ヴォーカルのマーティン・フライの陰りのある歌声はまさに、ニューロマンティック!
#2は初期のDURAN DURAN(デュラン・デュラン)と続けて聴きたい感じで、テンション上がりますね。
#3位になると、飛び切りノリの良いベースラインが更に勢いを増し、楽曲を支配しているゴージャスさに酔いしれてしまいます。
#4は小気味よいカッティングギターと管楽器が気持ちよいし、ドラマティック(タイトルはダサイが)な#5にも引き込まれますね。
#6はシングルになり大ヒット。日本のディスコでも連日この曲が掛かっていたと云うから、懐かしさを感じる方もいるのではないでしょうか。
勿論これ以降の楽曲もゴージャスでドラマティック。まさにバブリー。
ABCはこの後、ハードロック調な路線に一時期偏ったりして、これ以降のアルバムはあんまり…
勿論、ABCのメンバーとの化学反応もあったと思うけれど、トレヴァーホーンの偉大さがこの作品を輝かせていると云っても過言ではないでしょう。
まさに一瞬の輝きが詰まった作品ですが、寒い夜を少しでも暖かく過ごしたい人にはもってこいかも?