Duran Duran(デュラン・デュラン)/ The Wedding Album

1993年の作品。メンバーの相次ぐ脱退の間に試行錯誤を繰り返し、一時的にメンバーを増員していたDURAN DURAN。しかし、思うようなセールスには結びつかず、暗黒時代とも呼ばれておりましたが、このアルバムに収録された“Ordinary World”のヒットにより、見事に復活を果たしました。
この曲は、ウォーレン・ククルロがずっと温めていたものだそうです。

デビューしたてのアイドル・ポップス路線からホワイト・ファンク期を経て辿り着いたこの路線(ウォーレン路線とでも云うべきか…)、僕は嫌いではありません。

1. Too Much Information
かなりノリの良い一曲目でスタート。パワフルなシンセ・ブラスの音が心地よい。サイモン・ル・ボンの声も伸びやかで、アルバムの一曲目にふさわしいナンバーだと思います。
2. Ordinary World
丁度この曲が発表されたのは、アメリカ同時多発テロと同じ時期。『普通の世界』と名付けられたこの曲は人々の心を打ち、低迷していたDURAN DURANは再びスターダムへと戻ることが出来ました。冒頭でも書きましたが、ウォーレン・ククルロが長い間温めていた曲だそうです。とても深みのある歌詞と、哀愁を誘うメロディ。スケールの大きなオケ。そしてウォーレン・ククルロによる、間奏のギター。全てが素晴らしい。
3. Love Voodoo
このアルバムはウォーレン・ククルロが幅をきかせていたのでしょうか(笑)。彼らしい難解な曲です。深夜の水族館のような、幻想的なバックのオケを漂うサイモン・ル・ボンのヴォーカルが冴え渡ります。
4. Drowning Man
ニック・ローズによるダンサブルなピアノを聴くことができます(打ち込みだと思うけど…)。
この曲のアイディアを出したのは、ジョン・テイラーだそうです。
5. Shotgun
サンプリングされたピストルの音がずっと鳴っている変な曲。左右で鳴っている不可解な音は、ウォーレンのギターなのですが、不可解すぎる…
6. Come Undone
これもウォーレンが基礎を作っていると思われる曲です。ウォーレン在籍時のDURAN DURANにはこの手の雰囲気を持った曲が多いですね。何処までも落ちていきそうなイメージで、かなりのお気に入り。
7. Breath After Breath
ブラジルの有名なシンガー、ミルトン・ナシメント(知らん)を迎えて競演した楽曲です。ウォーレン・ククルロの友人らしいのですが、絶妙(ってか100%)のラテン具合。ウォーレンを加入させてからのDURAN DURANは、ギターアレンジメントの面は格段に進歩しました。元フランク・ザッパ、そしてミッシング・パーソンズ出身だもんなぁ…当たり前か。
8. UMF
どっかのプロレス団体みたいなタイトルですが、UMFの意味は、
『ULTIMATE MIND FUCK』
の略らしいです。イヤらしい…
9. None of the Above
サイモン・ル・ボンの子供への歌だそうで、サイモン自身がギターを弾いているそうです。曲自体はジョン・レノンのイマジンっぽいけど(笑)。
10. Femme Fatale
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカヴァー曲。
11. Shelter
シンセブラスはENSONIQのVFXかなコレ。DURAN DURANっぽさ満載の曲ですね。コードが『プリーズ・テル・ミー・ナウ』してます。
12. To Whom It May Concern
捨て曲。コーラスの声に注目してください。歌い方・声共に、小室哲哉系ですから…
13. Sin of the City
ジョン・テイラーによる歌詞。内容は実際に起こった事件への警鐘らしいです。

さて、輸入盤に収録された楽曲は以上ですが、国内版に追加されているボーナス・トラックの出来がかなり良いですね。特にラストの曲が素晴らしい。ナイル・ロジャースによるファンキーなナンバーです。このボーナス・トラックの為に国内版を買う価値はあるかも。
Amazonにて全ての楽曲の一部が試聴できます(リンクはU.S盤)